木を見て森を見ていない少子化対策
少子化対策

木を見て森を見ていない少子化対策

厚労省の調査によると、こどもを持たない理由は、との問いに「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」と答える35歳未満の妻は77.8%。 こどもを生み育てにくい国か?・・・日本61.1%、フランス17.6%、スウェーデン2.1%。 家族関係に関する「現金給付」は?・・・日本0.66%、フランス1.34%、スウェーデン1.29%(2019年)。 この3つのデータをベースにつくられたのが「異次元の少子化対策」です。財源論を横に置いたまま予算規模が先行し、2030年までに今の2倍の10兆円にする方針が決まりました。

厚労省の調査によると、こどもを持たない理由は、との問いに「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」と答える35歳未満の妻は77.8%。 こどもを生み育てにくい国か?・・・日本61.1%、フランス17.6%、スウェーデン2.1%。 家族関係に関する「現金給付」は?・・・日本0.66%、フランス1.34%、スウェーデン1.29%(2019年)。 この3つのデータをベースにつくられたのが「異次元の少子化対策」です。財源論を横に置いたまま予算規模が先行し、2030年までに今の2倍の10兆円にする方針が決まりました。

ではなぜ、「少子化」が進んだのでしょうか?2022年に出生率が1.26と過去最低を更新しましたが、私はその最大の要因は「未婚化」だと考えています。2008年の国会議員1期目の頃から「少子化」の最大の要因は「未婚化」だと何度か発言していました。残念ながら「未婚化」の問題は当時あまり注目されることなく、1980年から2020年の間に、女性は4.45%から17.81%、男性は2.6%から28.25%に急激に「未婚化率」が増えてしまいました。男性至っては既に4人に1人が生涯未婚という時代に突入したのでした。ところが結婚して夫婦が持つこどもの数は、1977年2.19人から2021年1.90人と、それほど大きく減少はしていません。未婚率の低減を図らなければ出生率の増加にはつながらないとデータが示しています。

最近の傾向として「結婚の意思があるか」と聞くと、男女とも80%台を維持しています。ということは「結婚したくても出来ない若者」が多くなってきていると考えられます。ここでポイントは、年収と結婚率に相関関係があることです。経済的理由で結婚から遠ざかってしまっている人が多くいるのです。若者の所得を今後いかに増やしていくのか、若者の所得対策無くしては、「少子化」対策は進みません。

ならばどのようにして若者の所得を高くするか・・・このように考えると、ささやかな「現金給付」を中心とした少子化対策では、的がズレていることは明白です。子育てをリスクと考えている若者に、安心して結婚・出産ができる環境を整えることが重要なのです。例えば高齢者の持つ資産を、子や孫に転嫁を促す税制や適切な住宅で子育てできる環境を整えることも大切です。そして最も重要なのは「仕事」と「家庭」のバランスです。自分の人生設計で臨機応変に対応する制度だけでなく、子育て中の発熱などの予想できない突然の事態に柔軟に対応できる備えを、自治体が間に入って地域社会と結んでいく制度も必要になります。「少子化問題」は氷山の一角を象徴的に見えている課題です。氷山の全体像を常に想像しながら、古くなった制度を改める機会を「少子化」問題は私たちに突き付けているのです。

少子化対策にとらわれ世代間対立を生まないよう、どの年代も心地よく生活できる社会設計に大きく変える時期に来ています。