進化している日本の災害対応!
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進化している日本の災害対応!

能登半島地震の様々な対応を見ていると、私が厚労副大臣時代に熊本地震の対応をした頃から比べて格段に素早く対応できていることが多く驚きました。ただ、地震が起こった場所が半島なので、交通手段が平時から限られていているところに、 […]

能登半島地震の様々な対応を見ていると、私が厚労副大臣時代に熊本地震の対応をした頃から比べて格段に素早く対応できていることが多く驚きました。ただ、地震が起こった場所が半島なので、交通手段が平時から限られていているところに、インフラが寸断され海底が隆起して津波が押し寄せ火事も起こり、そこへ寒さと雪が重なりサポートの手が届きにくい状況となっています。メディアを通して見ると、今までの災害より支援が遅く見えるのも事実です。しかし様々な現地の状況を踏まえて見てみると、支援する側が先々を考えてそれぞれが自主的に動いている様子が随所に見られました。

その一つがモバイルファーマシーです。東日本大震災の経験から全国に20台を配備し、そのうちの10台以上が現地に駆け付け、メディアにも大きく取り上げられました。本来命を守るはずの「薬」が無く困っていた方々に、薬剤師が調剤して医薬品をお渡しする。図らずも災害時に薬剤師がいかに必要な仕事なのか多くの国民に印象付けることとなりました。ご自分の業務をやりくりして、現地に駆け付け睡眠と体力を削って被災者の方に寄り添う活動頂きました全国の薬剤師の先生方には本当に感謝しかありません。モバイルファーマシーはどの段階で撤収するのか判断が難しいと言われています。薬剤師会で地元の薬局の復興状況、災害処方箋の発行状況など見て点数化して、明確に判断できる基準を作っておくことも一案かもしれません。もう一つは「くすり箱」を避難所生活のお役に立ててもらおうと、日本チェーンドラックストア協会さんが日本薬剤師会と協力して配布をしました。「くすり箱」には解熱鎮痛剤や胃腸薬、湿布薬など一般用医薬品から消毒用のウエットティッシュやマスクが入っています。熊本地震の頃に「くすり箱」のお願いをしたらどのように対応して良いのか分からない、どんな薬が良いのか?と困惑してらした頃とは対応に隔世の感を感じました。

私の地元の吹田市でも元旦の地震であったにも関わらず、職員さんや消防の方をすぐに派遣していました。その中で注目すべきは「災害マネジメント総括支援員」が吹田市から2名派遣されたことです。「災害マネジメント総括支援員」の仕事は、被災地の首長に災害時のマネジメントを総括的に支援し、被災した役所の機能を短時間で復興させるのが使命です。全国で僅か304名しか有資格者がいませんが、吹田市は災害時に素早く対応できるよう平時から2名も有資格者を育成していました。輪島市に派遣された吹田市の「災害マネジメント総括支援員」の仕事ぶりは素晴らしく、総務省から再度派遣依頼が来るくらいでした。「モバイルファーマシー」「くすり箱」「災害マネジメント総括支援員」どれをとっても平時の時に万が一を考えて備えを怠らなかった結果、災害に素早く対応できたのだと思います。松下幸之助の言葉に「非常時の気がまえと努力を、平時の気がまえとする」があります。非常時に備えるからこそ、平時が平穏に維持できるのだと常に心に刻んで行動を積み重ねるべきだと改めて感じました。