日本人の生き様が問われる安保法制
政治活動

日本人の生き様が問われる安保法制

国を自衛する方法は大きく分けて2つあります。1つは、自国の軍備により国を守る方法。もう1つは、法整備によって国を守る方法です。前者は、人員や武器を備える必要があり、国は大きな負担を強いられます。しかし後者の方法は自国だけ […]

国を自衛する方法は大きく分けて2つあります。
1つは、自国の軍備により国を守る方法。もう1つは、法整備によって国を守る方法です。前者は、人員や武器を備える必要があり、国は大きな負担を強いられます。しかし後者の方法は自国だけで国を守るのではなく、信頼できる国々が相互に守り合うのでいざという時の備えはもちろん必要ですが、負担は前者より軽く抑止力として効果も大いに期待できます。
では、なぜ今このタイミングで法整備が必要なのでしょうか。
現在の我が国を取り巻く安全保障環境は、かつて経験した事のないほど厳しい状況です。
過去27年で約41倍に国防費を膨張させた中国は、東シナ海に12基のプラットホームを新たに建設しました。中国がこれを軍事転用した場合、日本は喉元に刃を突き付けられたような形になり、日本版キューバ危機になる可能性も出てきました。
北朝鮮は、既に核実験を3度も実施し、何度も日本海に向けてミサイルを発射し、その技術は回数を積み重ねることにより著しい進化が見られるようになっています。
そして我が国の領空を脅かされる頻度は近年激増し、平成26年の自衛隊戦闘機緊急発進回数は943回(ロシア473回、中国464回、その他6回)となっており、実に1日に約3回他国の航空機が日本領空を侵犯したことになります。
戦後70年、今日まで我が国が平和で過ごすことが出来たのは、アメリカをはじめ多くの国の善意と犠牲があったからこそだということを、私たち日本人は決して忘れてはいけません。85年イラン・イラク戦争で孤立した日本人215名を救ってくれたのはトルコでした。94年イエメン内戦で97人の日本人を救ってくれたのはドイツ・フランス・イタリアの軍隊でした。04年自爆テロに襲われた日本タンカーを、犠牲を払ってでも守ってくれたのはアメリカ軍でした。
このように日本を取り巻く国際環境が予断を許さない中、第2次世界大戦後から世界の安全保障を担ってきた米国は最強のリーダーシップを失い、2013年オバマ大統領はついに米国が担っていた「世界の警察官としての役割」を放棄すると宣言しました。
もちろん日米同盟を基軸とする姿勢は変わりませんが、国際社会の安定こそが日本の平和に資することは明らかであり、我が国も変わらなければならない時代に入っているのです。
「世のため、人のため」という武士道の考え方を生んだ日本人が、厳しい国際状況の中、今後どのようにして国と国民を守るのか、この安保法制では日本人の生き様が問われていると思います。