命のリレーを増やすために・・・臓器移植を考える
医療

命のリレーを増やすために・・・臓器移植を考える

8月に私の地元事務所に新潟からお子さんの入院に付き添って吹田市に引っ越ししてこられた、大林夏奈(なな)ちゃんのお父様が来所されたのは、このブログでも報告しました。「ななちゃん」は、生後2か月を目前に「拡張型心筋症」を発症 […]

8月に私の地元事務所に新潟からお子さんの入院に付き添って吹田市に引っ越ししてこられた、大林夏奈(なな)ちゃんのお父様が来所されたのは、このブログでも報告しました。
「ななちゃん」は、生後2か月を目前に「拡張型心筋症」を発症し、一刻も早く心臓移植を行わなければならない非常に危険な状態です。
そして現時点では一刻の猶予もなく、10月26日の渡航予約をしたものの、10月16日までに残りの2300万円が集まらなければ渡航が見送られるそうです。
皆様の今一度のご支援を心からお願い致します。

「ななちゃん」の件を受けて、2009年に国会議員として採決に携わった「改正臓器移植法」について厚労省にも調査を依頼し、改めて現在の状況を検証しました。
「改正臓器移植法」は、死とする選択肢の一つに脳死を加える事により、希望する人が国内で臓器移植をしやすい環境をつくろうという法案でした。
しかし「脳死を以って人の死としてよいのか!」という意見に押され国会は大混乱に陥り、4案も乱立することになりました。
我が党では直接的に人の生死に関わる法案なので党議拘束は無く、それぞれの議員が自分の判断で一票投じることになり、私も悩みに悩み、決断するにあたってはとても大きな責任を感じました。
最終的には私も賛成票を投じた「改正臓器移植法」が採決され、未来に向かって我が国での臓器移植が増えていくことに期待しました。
しかし現状は、2010年の109件から法施行後数年は微増の傾向が見られましたが、現在は59件に減っているのです。さらに、15歳以下の臓器提供は、5年経って僅か7例しかありません。
さらに調べてみると、様々な原因があるのでしょうが、臓器提供の意思表示があっても移植が実現しなかった事例が8割を超えていました。(日本臓器移植ネットワーク調べ)
医療体制の不備なのか、周知徹底がなされていないのか、移植までの推移に隠された壁があるのではないか・・・苦悩しながら採決をした議員として、私も運用・体制作りに大きな責任を感じます。
制度に活力を吹き込むのも政治家の大切な仕事です。現状を改善して、ひとつでも多くの命のリレーが続けられように努力して参ります。